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インバウンド人材の不足と地域活性化を「おもてなしガイド」がサポート

  • インバウンド人材の不足と地域活性化を「おもてなしガイド」がサポート
  • ジェイアールバス関東株式会社

    運輸営業部 販売係長 森田 雄介氏
    同部 櫻井 聡氏
       中島 航氏
    ジェイアールバス関東はJR東日本グループのバス事業者で、高速バスや一般路線バス、貸切バスの運営を行っている。事業所の範囲は、関東地方1都6県の他、福島県や長野県、静岡県まで広域に及ぶ。 運輸営業部はバス事業全般の企画・運営などを担当する部署で、4年前にスタートさせた「ウェルカム成田セレクトツアー」を機にSoundUDシステムの実証実験を開始。
  • WHY
    インバウンド対応と、地域の観光情報の提供を通した地域活性化。
  • HOW
    「ウェルカム成田セレクトツアー」観光バスの車内放送(日本語アナウンス)を多言語でスマホに表示。「TYO-NRT( エアポートバス東京・成田)」の車内にトリガー再生機を設置し、情報提供。草津町内の循環バスのバス停車場23箇所にビーコンを設置し、周辺の観光情報を提供。
  • WHAT
    観光客に対して観光地の詳細情報を提供でき、より観光を楽しんでいただけるようになった。外国人観光客に対しても同等の情報提供が可能になった。

多言語で観光ツアーの見どころを伝える

SoundUDシステムとの出会いは2016年に遡ります。インバウンドが非常に盛り上がりをみせ、連日、成田空港には多くの観光客が降り立ちましたが、ほとんどの人は千葉県を素通りし、そのまま東京や京都、大阪などに向かっていきます。周辺自治体は、どうにかして千葉県内も観光してもらえないか、という問題意識を抱えていました。しかし、周遊に適した公共交通機関もなかったことから、当社と成田空港会社が共同で企画し、周辺地域の定期観光バス「ウェルカム成田セレクトツアー」を運行することになったのです。

インバウンドのお客さまがメインターゲットである以上、多言語対応は必要不可欠ですが、当社には外国語対応のできるガイドはいません。どうすればよいか模索していたとき、当社の社長が、新宿駅周辺を循環するコミュニティバス(WEバス:京王バス)でSoundUDシステムの「おもてなしガイド」が使われているのを発見。当社でも活用できそうだと考え、早速ヤマハさんに相談することにしました。車内放送に合わせて運転手がボタンを押すシステムで、バス停ごとの観光案内をお客さまの手元の端末(スマホ)に表示します。日本語のアナウンスが多言語で表示される画期的なシステムでした。

当初は実証実験ということもあり、「おもてなしガイド」でできる最大数の13ヶ国語で対応。内容は当社が作成し、翻訳はヤマハ側に担当していただきました。その後、ツアーのコースを変更した際に言語数を変更し、現在は日英中韓の4言語で対応しています。

「ウェルカム成田セレクトツアー」には日本語のガイドはつきますが、いくらガイドが見どころなどを説明しても、日本語がわからなければ、その間、お客さまは車窓の景色を楽しむぐらいしかできません。しかし、「おもてなしガイド」を使えば、観光のポイントなどが自国の言語で出てくるわけです。案内文を読んでお客さまがニコッとされていたのを見たときは、とても嬉しかったですね。

 

空港バス車内では高速道路の時刻表などを表示

「ウェルカム成田セレクトツアー」の多言語対応が好評だったことを受け、成田空港と東京駅を1000円でダイレクトに結ぶ「TYO-NRT( エアポートバス東京・成田)」(当時の名称は「アクセス成田」)にも「おもてなしガイド」を採用しました。こちらはトリガー再生機を車内に設置し、お客さまのスマートフォンにコンテンツを表示する仕組みです。

「TYO-NRT」は観光ツアー用のバスではないので、表示するコンテンツは当社のインバウンド向けホームページとし、東京から日本各地に向かう高速バスの時刻表や運賃の案内などを行っています。

 

オリジナルコンテンツで観光をより楽しく

2020年8月には、日本有数の温泉観光地であります「草津温泉」を有する群馬県草津町の町内巡回コミュニティバスでも「おもてなしガイド」のサービスを開始しました。本来は東京羽田バスターミナルからの高速バスが運行を始めるのに合わせて4月に開始する予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響で、予定よりだいぶ遅れてのスタートとなりました。

このバスはもともと草津町民のための交通手段ですが、温泉地であり、町内を移動する二次交通がないことから、観光客も大勢利用しています。今回は3つの循環ルートのうち、多くの宿泊施設や観光施設を回るAコースで「おもてなしガイド」を活用することにしました。今回はバスの車内ではなく、バス停標識にビーコンを設置し、バスを降りた後に周辺情報を「おもてなしガイド」で取得していただくかたちです。

対応言語は日英2言語。草津温泉の観光客は外国人より日本人が多いこともあり、多言語対応以上に、いかに草津観光を楽しんでいただくかを主眼に置いています。そのためコンテンツも観光名所のほか、季節の花や動物といった周囲の自然、地元で人気のある食堂といった、知られざる観光情報とでもいうべきものを用意、今後も展開してまいります。そこには担当者が現地で発掘した、オリジナルの地元情報も多数含まれています。また、内容は23か所のバス停それぞれで変えています。お客さまにはぜひそれを参考に、草津めぐりを楽しんでいただきたいと思います。

 

 

非常時にも多言語で情報発信

当社にとって「おもてなしガイド」は、インバウンド対応が得意な人材が少ないという弱点を補うありがたいツールです。外国からのお客さまが多かったときには、会社として非常に助けられました。

課題は、まだあまり知られていないことでしょうか。機器を設置したところで、知らなければ使っていただけません。いかに魅力のある内容を広く知らせ、関心を持っていただけるか、そして実際にアプリをダウンロードしていただけるかが、今後のカギとなると考えています。これから草津温泉では、例えばスタンプラリーなどと連動させたり、草津町や観光協会、旅館組合、商工会などにご協力を仰ぎながら各施設などにチラシを置かせていただくなど、広く周知に努めて参ります。

また、現在は主に観光案内用に使っていますが、「おもてなしガイド」を非常時対応にも活用していくことを検討しています。大きな災害が発生したときはもちろんですが、大雪時の道路渋滞などでバスが大きく遅れている場合など、言葉がわからなければ何が起きているのか不安になるものです。今後はそのような情報発信方を勉強し、お客さまの安全・安心に役立てていきたいですね。

※内容は取材当時の情報です。
公開日時 : 2020年9月11日
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