トップ事例紹介 > 日本文化に触れる人に、多言語字幕で適切に情報を伝えたい

日本文化に触れる人に、多言語字幕で適切に情報を伝えたい

  • 日本文化に触れる人に、多言語字幕で適切に情報を伝えたい
  • 凸版印刷株式会社

    情報コミュニケーション事業本部 ソーシャルイノベーション事業部 ソーシャルイノベーション事業開発室 観光・地方創生事業開発T 垂石宏治氏
    企画開発本部 企画開発一部 観光地方創生企画T 三浦真由氏
    「印刷テクノロジー」をベースに、情報コミュニケーション事業、生活・産業事業、エレクトロニクス事業という3分野にわたる幅広い事業活動を展開する凸版印刷。社会的価値を創造するさまざまな事業にも取り組んでいる。観光・地方創生チームは地域活性化事業に取り組む部署で、「旅道」という観光を起点とした地方創生ソリューションを提供。日本旅行に役立つサービスの一つとして「おもてなしガイド」アプリの提供で多言語によるコミュニケーションのサポートを行っている。
  • WHY
    外国人旅行者への観光サービスの一つとして提供
  • HOW
    多言語字幕ガイド「おもてなしガイド」で、伝統芸能や江戸絵画の鑑賞をサポート
  • WHAT
    字幕解説により、外国人観光客の日本文化への理解が深まる

インバウンド対策には多言語化が必須

多様化する時代の中で企業の価値提供のあり方も変わり、企業に社会貢献が求められるようになっています。凸版印刷でも、我々が社会的価値を生み出せるいくつかの領域を設定して事業に取り組んでいます。

そのテーマの一つが、「地方創生」「地域活性化」です。地域活性化にもさまざまな方法がありますが、地方創生・観光事業推進部では、観光を起点に地域経済の活性化を図っていくことに取り組んでいます。

特にこれまで注力してきたのはインバウンド対応です。情報コミュニケーション事業本部は、情報をどのようにわかりやすく加工して届けるかということに関するソリューションを提供していますが、これをインバウンドに適用すると、まずは「多言語化」ということになるでしょう。それも単なる多言語化ではなく、どのように伝えれば内容を正しく伝えられるか、というところまで踏み込むことが重要だと考えました。

 

大勢の人に一度に情報を届けられるのが魅力

当社は多言語音声翻訳アプリ「VoiceBiz(ボイスビズ)」を提供し、訪日外国人との対話によるコミュニケーションをサポートしてきました。

しかし、「VoiceBiz」は1対1を基本としたサービスであり、公共の場やイベント会場などでアナウンスされる情報を、多数の、さまざまな言語の人々に届けられる技術ではありません。これに対してSoundUDサービスの「おもてなしガイド」は「1対多」への多言語での情報提供が可能です。そこで我々のサービスを補完するものとして、「おもてなしガイド」を扱わせていただくことにしたのです。

 

通信環境のない場所でも正確な情報を

再生機から出す音をトリガーにしてお客様ご自身のスマートフォンに字幕を表示する「おもてなしガイド」は、技術的にもユニークなものだと思います。特に通信環境のない場所や通信の利用が制限される場所では有効です。地方の観光スポットはWi-Fi環境がないところも多いのですが、そこでは通信環境を整備するより、「おもてなしガイド」を導入する方が使い勝手がよいでしょう。

当社は狂言や地歌舞伎などの公演で「おもてなしガイド」を活用し、セリフや所作の解説などを多言語の字幕で表示しましたが、伝統芸能で発される言葉は日常の日本語とは異なるので、原文通りの翻訳やリアルタイムの音声自動翻訳では、なかなか意味の通じる言葉になりません。その点、コンテンツを事前に準備しておく「おもてなしガイド」なら、正確に翻訳された言葉を提示できます。そこも大きなポイントではないでしょうか。

2017年には外国人観光客を狂言「蝸牛」に招待し、「おもてなしガイド」活用の実証実験が行われました(主催はNTT東日本×Bunkamura)。我々は7ヶ国語の字幕とプラグラム(解説)を制作してイベントを後方支援しましたが、翻訳や校閲には伝統芸能分野に詳しい人に参加していただき、狂言の魅力を余すところなく伝えられるよう努力しました。翻訳者はどう表現すればよいか非常に悩まれ、ギリギリまで文面を修正していたのを覚えています。鑑賞者の皆さんからは、字幕のおかげで理解が深まったと好評でした。

 

リアルタイム翻訳やユニバーサルなサービスに期待

自動翻訳や多言語翻訳はこれからますますニーズの高まる技術であり、当社でも、一人が話す音声を翻訳するのではなく、多人数が集まっているときに話者を区別しながら翻訳することはできないか、などというアイディアが出ております。外国人には理解が難しい、日本の歴史や文化を踏まえた発言を自動翻訳するニーズも高いでしょう。また、今後はウェアラブル端末に翻訳機能が組み込まれていくことも考えられます。

本来、どのような言語でもリアルタイムで音声翻訳できれば、それに越したことはありません。しかし、スマートフォンのマイクや自動翻訳機能は、まだそこまで高性能ではなく、技術が理想に向かって進歩していくときの隙間を埋めているのが、まさに「おもてなしガイド」だと思います。

また、「おもてなしガイド」の技術は多様な領域で展開できるものだと思います。例えば、家電のサイン音に反応して情報を文字で表示できれば、聴覚障害のある人にとっても便利ですよね。日常の多様なシーンでユニバーサルなサービスを提供するような、「おもてなしガイド」の新たな用途開発にも期待しています。

※内容は取材当時の情報です。
公開日時 : 2020年8月7日
お問い合わせは事務局へ
『SoundUD』や『SoundUD推進コンソーシアム』へのご質問
SoundUDに対応した製品・サービスの企画・開発に関するご相談などは
以下のフォームよりお問合せください。